5/26、東京で開催のJAVCセミナー「3D工業デザイン入門講座」に参加してきました。
今回は、Fusion360を用いたスカルプティング、ソリッドモデリング、レンダリングの基本を学習する講座です。
冒頭、まさかの「Wi-Fiつながらない」問題で、受講生も講師も大慌てというトラブルがありましたが(笑)、すぐに持ち直してその後は滞りなく講義が進みました。
教室の金属の扉を開放したら、無事解決したっていう (笑)。

わたしは特許事務所で特許/意匠図面を描いていますが、基本的にモデリングには、無料の3D CAD"Design Spark Mechanical"を使用しています。
一応、"Solid Works"という機械設計用途のミドルレンジ3D CADも所内にはあるんですが、データ変換とクライアントからいただいた3Dデータの編集、それと二次元図面の出力程度にしか使ってません(なんともったいない!)。
なんでかっていうと、結局、特許図面にはSolid Worksはオーバースペックすぎるんですよね…。
そもそも特許図面用途のモデリングって、設計用途とちがって、数値不要、形が大体イイ具合ならそれでいい、という「ザ・適当」モデリングです。
だから、ぱぱっと描いたスケッチから感覚的に、いわゆる「粘土をこねるように」して造形できるDesign Sparkの方が、作業が圧倒的に早いわけです(あくまで、わたしはですが)。
とはいっても、Design Sparkはやはりフリーソフトですので、3Dのミラー機能がない、ロフトの精度が微妙、ちょっと複雑なことをしようとすると頑としてエラーを出しつづける等々、かゆいところにいまいち手が届かない。
さらに、サーフェスに関してはまったく柔軟性がなくて、複雑な曲面で構成された図面を描きたいというような場合には向きません。

というわけで、
安価で、ソリッドにもサーフェスにも強いイメージがある"Fusion360"は、選択肢としてアリなんじゃないかと大きな期待を胸に今回参加したわけですが…
「クラウドベースだから、特許系はやばいでしょ」という誰かの一言で、膝から崩れ落ちる結果になりました。やっぱそうよね。
帰ってからちょっと調べてみましたけど、やはりデータの機密性に関してはどうも心配ですね。うーん。

ただ、今回の講座でFusion360の魅力にやられてしまって、どうにもあきらめきれない〜。
何がいいって、やっぱりあのサーフェスモデリングの使いやすさ。そして、スカルプトの自由度。
(ちなみに、スカルプトって言葉をわたしはいつも忘れてしまうんですが、Fusion360使いには「あの"みょーん"てなる奴」というだけで通じますね。みょーん以外にも、ぐにゅーんとか、うにょーんとか、オールOK。)
それと、アセンブリが簡単! その上、ジョイントが素敵すぎる! なんと言っても、ほどよく「テキトー」なところが素敵だ(笑)!!
機密性はそこまで重要じゃなくて、安価でそこそこ本格的かつ便利な機能を使い倒したいという方には、Fusion360は最高だ!ということを思い知った講座でした…。

ちなみに、今回の講座は、6/2に大阪でも行われます。ご興味の湧いた方はぜひともご参加ください。

また、東京では6/16にテクニカルイラストレーション入門講座(手描き篇)が開催されます。
手描き講座に参加すると、テクニカルイラストレーションの基礎の基礎、はじめの一歩が理解できると思います。
特に、テクニカルイラストレーション技能士試験の受験を考える方にはおすすめです。
講師が立体の模型を使ってていねいに解説しますので、テクニカルイラストの教本等のイラスト解説よりも、ぐっと理解がしやすいと思います。
テクニカルイラストの解説書では理解ができなかった、挫折してしまったという方に、JAVCが自信をもっておすすめする講座です。ぜひご参加ください。

それでは、また次回の講座でお会いしましょう!



※画像は、むかしDesign Sparkでわたしが作成した3D ウォームギア。この角度だと、いい感じに噛み合っているように見えますが…
ウォームギア


※実はウォームがウォームホイールにめり込んどる(笑)! やっぱりそこはフリーソフトだということで…。
ウォームギア_めり込み