テクニカルイラストレーション技能士のブログ

日本ビジュアルコミュニケーション協会の会員が綴る、日常の出来事です。仕事関係が多いかな???

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【特許図面の作成に関するアンケート】結果のご報告〔4〕

先月から募集していた『特許図面の作成に関するアンケート』の結果報告です。
思ったより長くなってしまってちょっと焦りつつ、四回目の今日は、特許図面作成者の皆さんが普段どのような考えで図面を作成しているのかを探る、意識調査の結果を報告します。

(6)意識調査
ここでは、回答者の皆さんに、設問に挙げた様々な行動や考えについて、普段の自分にどのくらい当てはまるかを答えてもらいました。

(6-1)依頼された下図に忠実であれば良く、図面の正確性や製図法に沿っているか等は考える必要性がない
6-1


(6-2)依頼された下図とできるだけ同じものを描くようにする
6-2


(6-1)、(6-2)は、下図にどれだけ忠実な図面を描くか、ということを探る設問です。
上記のグラフによれば、『若手+新人』層よりも、『ベテラン+中堅』層の方が、下図に忠実でなければならない、という縛りが少ないようです。
これはなぜでしょうか。

図面作成者に特許図面を依頼する「明細書作成者」の立場から言うと、
クライアントからいただいている下図に従わないということは、一歩間違えると、クライアントにその意を汲まない印象を与えたり、まるで「図面がヘンです」と上から物申しているようなイヤ〜な感じがするため、下図を安易に改変することはあまり好ましくありません(もちろん、人や場合にもよりますが)。
ですので、下図通りに描かないということは、基本的に、そうする根拠(このままでは分かりにくい、誤りがある、雑すぎる、など)があって初めて成り立つことです。
ここで、キャリアが長くなるにつれて下図への忠実度合いが下がる理由は、経験値によって上述のような下図を修正すべき根拠に気づきやすくなることが挙げられると思います。
また、(機械分野の図面のように)図面の正確性を期する場合は、完成した図面と下図とが異なっても許容されやすいことも重要です(下図に忠実に描くことよりも、正確性の追求に重きが置かれるためです)。
機械分野の図面は、正確性が求められると同時に難易度が一般的に高めであり、そのような図面はキャリアの長い図面担当者に回ることが多いですから、その分『ベテラン+中堅』層の下図への忠実度合いが下がるのかもしれません。
さらに、後述の設問(6-6参照)に出てくるように、キャリアが長くなるにつれて明細書担当者に対して直接下図について指摘(ダメ出しなど)ができるようになることも関係しているかもしれません。

一方で、下図に忠実であるか否かは、個人の意思だけでなく、環境によっても大きく変わると思います。
正確性や見た目がどうのと考えるヒマがないくらい忙しく、早く仕上げないと仕事が終わらない!という職場もありますし、「何も考えなくて良いから、下図通り仕上げてほしい」という明細書作成者が多い職場もあります。
また、明細書作成者との距離が遠く、下図に関して相談ができないため、結果的に盲目的に下図に従わざるを得ない職場もあるでしょう。
ただ、そんな環境でも、考えたところで無駄だとあきらめずに、「これはもっとこう描いた方がいいのでは?」という気づきだけは大切にしてほしいと思います。
いつか環境が変わったようなとき、そういう気づきはとても重要になるはずです。

(6-3)他の図面作成者よりも、美しい図面を描きたい
6-3


ちょっと変わった質問ですが、見た目上の美しさにどの程度こだわるかということを尋ねたかった質問です。
「当てはまる」、「やや当てはまる」が8割ほどを占めており、これはキャリアによってそれほど大きな差はありませんでした。
なお、これはわたしの個人的意見ですが、図面の見た目上の美しさはかなり重要だと思っています。
理由は単純で、出願人や明細書担当者などによる図面の評価の判断基準は、見た目の印象の要素がかなり大きいからです。
つまり、出願人や明細書担当者は、図面描きが見るような目線で図面を見ているわけではなく、パッと見で「イイ感じ」か「イマイチ」か判断している人も一定数いるということです(もっとちゃんと図面を見ろよ、と言いたくもなりますが…)。
よく「引出線だとか符号だとかは、分かるようにさえ描いてあれば、見た目なんか何でもいいんだよ」なんて話を耳にしますが、上記のように、全体のパッと見の印象が図面の評価を大きく左右する以上、本当に何でもいいということはなく、やはり綺麗に描いておいて損はないとわたしは思います。

(6-4)後々の修正や転用に対応しやすいよう、図面を描く際には工夫をする
6-4

こちらも、キャリア関係なくほぼ全体が、「当てはまる」、「やや当てはまる」と回答しています。
ですが、『ベテラン+中堅』層の方が、「当てはまる」と回答している割合が圧倒的に高く、回答に自信を感じますね。
ちなみに、実はこの設問、「当てはまる」、「やや当てはまる」と回答する方がこんなに沢山いるなんて、わたしはまったく予想していませんでした。
てっきり、「後々どんな修正がくるかも分からないのに、工夫なんてやりようがねーよ、バーカバーカ」と言われるかと思っていましたよ…いやあ、よかった…(ドキドキ)。
具体的に、修正や転用のためにどのような工夫をしているのか、非常に気になるところですね。
(…これも聞けばよかったなあ。)

(6-5)特許図面は適当でもいいので、あまり細かいことは気にせず描く
6-5

各層とも「当てはまらない」「あまり当てはまらない」が6〜8割を占めている一方で、「やや当てはまる」という回答も2割近くあります。
分かる、分かるけれども、図面描きとしては少しさみしい、と言いたくなる結果です。
特許事務所に所属していると、たびたび耳にするこの「特許図面は適当でもいい」の言葉。
確かに、図面の内容や発明の分野によっては適当でも済むものもあります。
例えば、制御系やIT系などの発明は、図面が多少いい加減でも許されるところがあると思いますし、ブロック図なんて適当に描いても真剣に描いても、誤字脱字や図内容の誤りさえなければ、特に問題にはなりません(もちろん問題にならないというだけで、見た目による評価はひそかに下がっているかもしれませんが)。
このように、適当で済む図面がある一方で、(何度も言いますが)機械分野の図面など、適当では済まない図面も確かにあります。

ただ、図面描き自身が「特許図面は適当でいい」と考えるのは、下図への忠実度合いと一緒で、本人の意思ばかりではなく、環境の影響も大きいんですよね。
図面の依頼者のほとんどが「特許図面は適当でいい」と考えていたらその考えが伝染するのは当然ですし、依頼図の8割をブロック図やフローチャートが占めていたら、適当でいいという考えも合理的といえるでしょう。
(とはいえ、やっぱり図面描きとしてはさみしいなー、と個人的には思っています。)

(6-6)図面から発明を把握する努力をし、図面の内容に誤りがあれば、修正したり指摘したりする
6-6

(6-5)の設問と比べると、一転してアグレッシブな設問です。
期待したとおり、『ベテラン+中堅』層では、「当てはまる」が75%、残りの25%は「やや当てはまる」と、全員が「修正・指摘をする」という非常に頼もしい結果になりました。
一方、『若手+新人』層では、「当てはまる」と「やや当てはまる」が多数派(合わせて70%)ながら、『ベテラン+中堅』層に比べると後退し、さらに「どちらともいえない」「あまり当てはまらない」という回答もみられます。
設問中には、「修正」だけでなく「指摘」という言葉もありますので、明細書書きに向かって「これはおかしいですよ」と指摘しなければいけないと考えると、少しハードルが高く感じられるのかもしれません。
ここに、『若手+新人』層の躊躇と不安が読み取れるような気がします。
そうだとしても、このグラフ6-6の『ベテラン+中堅』層の結果をみれば、十年も経つと皆が当たり前のように「修正・指摘」ができるようになっているわけですから、若手や新人の皆さんも心配せずに、どんどん意見を言えるようになってほしいと思います。

と、そんなところで、今回のご報告は終わりとします。
ずいぶん長くなってきました。次回あたりですべて出しきりたいところです…(自信はない)。
では、また次回お会いしましょう!

なお、今回のアンケートに関して、ご感想やご意見などがありましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。


***

ついでと言ってはなんですが、ちょっとだけ宣伝。
10月6日に、「特許図面作成講座(実践篇)」と銘打って、特許図面の作成実習を行います。

普段、特許図面作成者の皆さんは、下図を依頼されて図面を描くお仕事をされることが多いと思いますが、
今回は、その逆、つまり、発明の内容を聞き、自分なりに考えて必要な図面を描いてみる、という流れでセミナーを行います。
このように、いつもと違う流れで図面を描くことで、普段自分で描いている特許図面が表す意味を理解しやすくなったり、図面に表れる重要なポイントを見つけやすくなったりと、様々な気づきがあると思います。
ご興味のある方はぜひ、ご参加ください。
ちなみに、セミナー講師は不肖ながらわたくしが務めさせていただきます!

場所は、いつもの国立オリンピック記念青少年総合センター。
ただし、いつものセンター棟ではなく、「カルチャー棟」という別の建物になりますので、ご注意くださいね。
それでは、また次回!

181006

【特許図面の作成に関するアンケート】結果のご報告〔3〕

先月から募集していた『特許図面の作成に関するアンケート』の結果報告です。
三回目の今日は、図面を描く際、何を重要視しているか、というテーマについてです。

(5)図面を描く際、何を重要視しているか
特許図面を描く際、重要視していることは何かを尋ねました(グラフ5-1)。
5が最も重要視する度合いが高く、1が最も重要視する度合いが低いスコアになります。

5-1

平均のスコアが最も高く、それも、ほぼ満点に近かったのは「発明の内容を的確に表す」と「図内容の分かりやすさ」でした(平均4.9)。
これはとてもうれしい結果です。
普段から、「特許図面描きはトレースだけが仕事じゃない、自分で考えて発明を分かりやすく表現するべきだ」てなことを隙あらばわーわー言っているわたくしですが、当然のように皆さん分かっていたということですね。
今回のアンケートを通して、「お前に言われんでも分かっとる」という前田智徳ばりの声が聞こえてきた気がしました。

その他をスコアの高い順に並べてみると、
「図面の見た目上の美しさ」&「丁寧に描く」(平均4.3)、
「短時間で描く」(平均4.1)、
「製図法に従う」&「下図に忠実に描く」(平均3.6)、
「図面に自分の個性を出す」(平均2.3)
という結果でした。
では、ここで、キャリア間の違いを見てみましょう。

5-2-5

『ベテラン』層は、他の層よりも「図面の見た目上の美しさ」(平均4.8)と「丁寧に描く」(平均4.7)、さらに「製図法に従う」(平均4.3)が高いことが分かります。
さらに、「図面に自分の個性を出す」(平均2.8)のスコアが全ての層の中で最も高い一方で、「短時間で描く」(平均3.7)のスコアは全ての層の中で最も低くなっていました。
短時間で速く描くというよりも、正確で質の良いものを、じっくり(個性もある程度出しつつ)描こうという、ベテランの余裕が垣間見える結果ですね。
『中堅』層、『若手』層は、「下図に忠実に描く」のスコアがそれぞれ平均3.3、3.4と、他に比べて少々低めなのが特徴的です。
『新人』層では、「下図に忠実に描く」(平均3.9)のスコアが全ての層の中で最も高く、「製図法に従う」(平均3.2)のスコアは全ての層の中で最も低くなっていました。
また、「図面の見た目上の美しさ」(平均4.3)と「丁寧に描く」(平均4.5)が、『ベテラン』層に次いで高いのも特徴です。
ここから、読み取れるのは、できるだけ下図に忠実に、丁寧に、美しく図面を描くことで精一杯で、製図法に従うところまで手が回らない(もしくは、製図法について勉強が行き届いておらず、今はまだよくは分かっていない)という姿ですかね。
わたしが特許図面を描き始めたばかりの頃もそうだったなー、と、思わず遠い目…。

ここで、「製図法に従う」の項目がベテラン以外では4.0未満と意外に低スコアだったので、前回、(5)現物からの作図で、現物からの作図が『頻繁にある』層(=機械分野の作図を頻繁にしていると考えられる層。以下『現物頻繁』層といいます)の結果も調べてみました。

5-6

ご覧のように、『現物頻繁』層では「発明の内容を的確に表す」と「図内容の分かりやすさ」だけでなく、「図面の見た目上の美しさ」も満点スコア(平均5)でした。
さらに、「製図法に従う」と「丁寧に描く」も非常に高いスコアとなっています(平均4.6)。
前回の(5)「図面を描く際に何を重要視しているか」で見たように、『現物頻繁』層は、正確に作図する意識が高い、あるいは正確な作図が要請される環境にいるため、製図法に従う意識も高いようです。
一方で、「下図に忠実に描く」(平均3.4)のスコアはどちらかというと低めです。
これも、下図がいい加減だと判断すれば下図の修正を辞さない(=大きな修正を加えてでも正確な図面を描く)ということが考えられますね。
ここでも『現物頻繁』層の、正確性に重きを置いた品質重視の姿勢が垣間見えておもしろいですね。
近頃、現物から図面を起す機会が増えてきたという方や、物の形状や構造に関する図面の依頼が多くなってきたという方は、上記の点を参考にしてみると図面の評価が上がるのではないでしょうか。

と、そんなところで、今回のご報告は終わりとします。
次回は、特許図面作成者の皆さんが普段どのような考えで図面を作成しているのかを探る、意識調査についてご報告させていただきます!

なお、今回のアンケートに関して、ご感想やご意見などがありましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。

【特許図面の作成に関するアンケート】結果のご報告〔2〕

先月から募集していた『特許図面の作成に関するアンケート』、前回から順次結果をご報告させていただいています。
今回のテーマは、3D CADと、現物からの作図についてです。

(3)3D CAD(つづき)
次に、3D CAD使用者に、使用している3D CADを聞いてみました(グラフ3-5)。

3-5

最も多かったのが、Design Spark Mechanical(デザインスパークメカニカル)です。
Design Spark Mechanical(デザインスパークメカニカル)は、粘土をこねるように感覚的なモデリングが特徴的な、無償の3D CAD。
3Dのミラーコピーができない、ロフトなど複雑なソリッドモデリングは苦手、断面図は2D図面に出力できないなどなど、無償なので「うーん」な点ももちろんありますが、それを補って余りある使いやすさと分かりやすさ。
わたしの知人は、ことあるごとに「デザインスパークメカニカルに慣れると、もう他の3D CADを使いたくなくなる」と言っています。
これにはわたしも同感。
「粘土をこねるように扱える」ってほかの3D CADの謳い文句でも見かけたことがありますが、使ってみるとデザインスパークメカニカルの方がしっくりくる!
ただ残念なのは、扱えるファイル形式が少なく、特にSTEPファイルが読み取り専用で編集はできないことでしょうか(ただし、2D図面を出力することは可能です。また、STEPファイルとIGESファイルの編集が可能になる拡張モジュールも販売されています)。

二位のFree CAD(フリーキャド)は、オープンソースの無償3D CADです。
様々な用途に特化したワークベンチを使い分けるのが特徴で、無償にしては高度かつ多種多様な機能を備えています。
しかし、その分ユーザーインターフェースが複雑になっていて、慣れるまでには少し時間がかかるかもしれません。
また、IGESやSTEPのほか、STLやOBJなど、多数のファイル形式をサポートしているのも大きな特長です。
先ほどのデザインスパークメカニカルでは編集できないSTEPファイルの場合、わたしはこちらのフリーキャドを利用しています。

次いで、Solid Works(ソリッドワークス)、Inbentor(インベンター)と、今度は有償の3D CADがつづきます。その他としては、Sketch Up(スケッチアップ)、Creo Elements/Direct Modeling Express(クレオエレメンツ)、Fusion 360(フュージョンスリーシックスティ)などが挙がりました。
一方、「使用したことはないが、今後使用の予定がある」と回答された方が、今後使用を予定している3D CADとしては、Free CAD(フリーキャド)やRhinoceros(ライノセラス)が挙がっていました。
今後、特許図面作成に3D CADを使用したいと考える方は、先ほどの3D CAD使用者のグラフに挙がったソフトも参考にご検討されてみるのも良いかと思います。

興味深かったのは、3D CADを使用している方の半数以上(67%)が、複数の3D CADを併用している、ということです。
また、複数の3D CADを併用している方のうち、「有償の3D CADがある環境でも無償の3D CADを併用している」というケースが56%もありました。
これには、「一方の3D CADでできないことを他方の3D CADで補うため」や「多様なファイル形式に対応するため」などの理由が考えられますね。

(4)現物からの作図
次に、クライアントから受け取った現物(実際の発明品や、それに近い形状/構造の物など)から図面を起すことがあるか否かを質問しました(グラフ4-1)。
ほとんどの方が、受け取った現物から作図した経験があることが分かります。

4-1

では、どのような方法を用いて現物から作図をしているのでしょうか。
「写真を撮ってトレースする」、
「寸法を測って寸法通りに作図する」、
「寸法を測って3Dモデリングし、図面を出力する」、
「写真は撮らず、寸法を測らずに、見た目をスケッチし図面化する」
という4つの方法について、どれくらいの頻度で行うか尋ねてみました。

図面の正確性を重視する場合、「寸法を測って3Dモデリングし、図面を出力する」や「寸法を測って寸法通りに作図する」の頻度が高くなると思います。(ただし、3Dモデリングするには、3D CADが必要になります。)
「写真を撮ってトレースする」は、寸法値を測りにくいもの(例えば、複雑なRを持つペットボトルなど)を描く場合を除いて、どちらかといえば正確性よりも時間短縮を図る場合にとる手段といえます。
「写真は撮らず、寸法を測らずに、見た目をスケッチし図面化する」は、美術的なデッサンの手法としては一般的ですが、やはり図面化の手段としては正確性が低く、時間短縮をより重視した方法といえます。

4-2

グラフ4-2は、1が最も低頻度で4が最も高頻度を表しています。
つまり、全体の平均では、「写真を撮ってトレースする」頻度が最も高く(平均3.0)、「寸法を測って寸法通りに作図する」頻度がそれに次いで高い(平均2.5)ことになります。「寸法を測って3Dモデリングし、図面を出力する」、「写真は撮らず、寸法を測らずに、見た目をスケッチし図面化する」の頻度は低く、それぞれ平均1.7でした。
全体としては、正確性も時間短縮も「ほどほどに重視している」という印象ですね。歯切れの悪い表現ですが。
「寸法を測って3Dモデリングし、図面を出力する」に関しては、全体の3D CAD使用率が45%であり、かつ、3D CAD使用者のうち自分で一から3Dモデリングを行う方が63%という状況を考えると、妥当な数字です。

ここで、『ベテラン+中堅』層と、『若手+新人』層で、作図の仕方に違いがあるか、見てみます。

4-3-4

『若手+新人』層と比較すると、『ベテラン+中堅』層では、「寸法を測って寸法通りに作図する」頻度が上昇していることが分かります。
『ベテラン+中堅』層の方が正確性を意識している、というところでしょうか。

では、今度は、現物からの作図が『頻繁にある』と回答した層と、『ときどきある』と回答した層を比較してみます。

4-5-6

今度ははっきりとした違いがグラフに表れています。
『ときどきある』層は、先ほどの『若手+新人』層と同じように、「写真を撮ってトレースする」頻度が高めで、「寸法を測って寸法通りに作図する」頻度は低くなっています。
一方、『頻繁にある』層では、「写真を撮ってトレースする」頻度も高め(平均3.2)ですが、それ以上に「寸法を測って寸法通りに作図する」頻度が他に比べて非常に高くなっている(平均3.6)ことが分かります。
その一方で、「見た目をスケッチし図面化する」は平均1.4と他より低いことがわかります。
また、「寸法を測って3Dモデリングし、図面を出力する」も平均2.0と、他と比べて少々高くなっています。
これらを総合すると、現物からの作図が『頻繁にある』層は、正確に作図する意識が高い、あるいは正確な作図が要請される環境にいる、といえます。

基本的に、現物から図面を描く場合、その発明はほとんどが機械系に属する発明(=物の形状や構造に関する発明)といえると思います(もちろん、例外もあると思いますが)。
一月の特許図面セミナーでも少しお話しましたが、機械分野は図面の重要性が他の分野と比較して圧倒的に高いです。
なぜかというと、機械分野の発明は技術的特徴を視覚的に表現できるため、図面が明細書を補う度合いが非常に高いからです。
つまり、現物からの作図を頻繁に行う環境とは、機械分野の発明が高頻度に発生する環境といえますので、そもそも図面の正確性が高く要請されており、寸法を計測して描く正確な作図が増えるのではないかと推測されます。
同じ特許図面制作の現場でも、これだけの違いが現れるとはおもしろいですね。


さて、そんなところで、今回のご報告は終わりとします。
次回は、図面を描く際に重要視していることなどについてご報告させていただきます!

なお、今回のアンケートに関して、ご感想やご意見などがありましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。
どうぞよろしくお願いいたします。

【特許図面の作成に関するアンケート】結果のご報告〔1〕

先月から募集していた『特許図面の作成に関するアンケート』、多肢にわたる質問だったにも関わらず、多くの方々から回答をいただくことができました!
皆さまのご理解とご協力に、厚く御礼申し上げます。
では、アンケート結果についてご報告します。

(1)勤務先とキャリア

1-1


まずは、アンケートにご回答いただいた方の勤務先の内訳です(グラフ1-1)。
特許事務所勤務が六割程度、次いで、フリーランス、図面制作会社、その他と続きます。その他の回答には、メーカーや翻訳会社というご回答がありました。

1-2


さらに、どのくらいの期間、特許図面作成に携わっているかについて質問しました(グラフ1-2)。
パッと見ではキャリア10〜20年未満や20年以上の層が厚く見えますが、10年単位で区切るとキャリア0〜10年の層の回答者の方が最も多くなっています。
結果として、経験の浅い方から経験豊富な方まで大きく偏ることなくアンケートにご参加いただくことができました。
JAVCのサイトやブログを見てアンケートに参加された方が多いことを考えると、新人からベテランまで様々なキャリアの方がJAVCの情報を収集しているといえます。

なお、今回のアンケートでは、キャリアによってどのように行動や考え方が変わるのかということを探るために、便宜的に、キャリアが「一年未満」と「一年以上三年未満」と回答された方を『新人』、「三年以上五年未満」と「五年以上十年未満」と回答された方を『若手』、「十年以上二十年未満」と回答された方を『中堅』、「二十年以上」と回答された方を『ベテラン』と区分して、統計をとっていこうと思います。
※新人や若手などという言葉はそれとなく年齢を匂わせる言葉ですが、年齢とは関係なく(今回のアンケートでは回答者の年齢は収集していません)あくまでキャリア年数をイメージさせるために便宜的に使っている言葉であることをご了承ください。

(2)作図ソフト

2-1


メインの作図ソフトは、グラフ2-1に示すように、イラストレーター(アドビシステムズ)が他を圧倒して堂々の一位でした。
すべてのキャリア層で過半数を超えていて、特に『新人』層では使用率100%であり、特許図面業界を席巻しているといっても過言ではありません。
次いで二位が、オートCAD(オートデスク)。
さらに、その他の少数意見として、ビジオ(マイクロソフト)、ベクターワークス(ベクターワークス)、BVファイル(ビッグバン)などが挙がりました。

2-2


メイン以外の作図ソフトについてもお尋ねしました(グラフ2-2)。
ここでは、オートCADが最も多く、次いでビジオ、イラストレーターという順位です。
このほか、少数意見として、花子(ジャストシステム)のほか、ドラフトサイト(ダッソーシステムズ)、オープンオフィスが挙がりました。
個人的にとても面白かったのは、ビジオの人気が意外と根強い、という点です(^^)。
大人気というわけでもなく、とても地味ですが、それでもずーっと一定の人気を保っているビジオ。なんだか映画の名脇役みたいな存在ですね^^

(3)3D CAD
次に、3D CADの使用状況についても質問してみました(グラフ3-1)。
結果は、なんと真っ二つ。全体だと、使用していない派が、使用している派をほんの少し上回っています。

3-1

3-2


さらに詳しく内訳を見てみましょう(グラフ3-2)。
最も多かった回答は、「使用したことはなく、今後も使用する予定はない(39%)」でした。
わたしもクライアントから3Dデータが送られてくるようになってやっと3D CADを使う必要性を感じたことを考えると、まだまだ必要はないと感じる環境が多いのでしょう。
ただ「使用したことはないが、今後使用の予定がある」という回答と「使用している」という回答を合わせれば、過半数を超える61%になり、今後、特許図面作成者の間でさらに3D CADが普及していく予感もあります。
今後、どのように環境が変わっていくかが鍵となりそうです。

キャリア別にも見てみましょう(グラフ3-3)。

3-3


キャリア別に比較してみると、『中堅』層に突出して3D CADの使用者が多いことが分かります。
他の層では3D CADの使用率は20〜50%程度であるのに対し、『中堅』層では使用率が80%を超えており、かつ、高頻度で3D CADを使っているのはこの『中堅』層にしかおらず、さらに、『中堅』層の3D CAD使用者の半数以上が「頻繁に使用している」と回答しています。
どうしてこのような差が付くのか、はっきりとしたことは分かりませんが、『中堅』層は、仕事に役立つものを積極的に取り入れる傾向があるようです。
下のグラフ3-4は、「テクニカルイラストレーションの技法など、仕事に役立つものは積極的に取り入れる」という設問に対し、普段の行動や考えにどれほど当てはまるかをご回答いただいたグラフですが、「当てはまる」という回答が『中堅』層では群を抜いて高いことが分かります。

3-4


さてさて、先が長いので、今回のご報告はここまでとします。
次回は、使用している3D CADソフト名や、現物からどのように作図をするかについてなどをご報告させていただきます!

なお、今回のアンケートに関して、ご感想やご意見などがありましたら、お気軽にコメント欄にお寄せください。
ではまた次回!

「写真トレースのための透視図入門」へのご参加ありがとうございました

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先週末、「写真トレースのための透視図入門」を開催しました。
世の中はお盆休み、かつ猛暑(そして、ゲリラ豪雨でもきそうな空の気配)という、決して好条件とはいえない中でしたが、
たくさんの方に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。

セミナーの今回のテーマは、「透視図」です。

実は現在、JAVCでは、
透視投影図についてちょっとしたプロジェクトが進行しているのですが、
そのプロジェクトの件で、JAVC透視投影図班に応援を頼まれたために、
今回、わたしは透視投影図についてそこそこ予習をした上でセミナーに臨んだわけです。

が…、やっぱりむずかしい!
脳みそが捻転するかと思うくらいむずかしい!! キィーーッ!

等角投影図と比べると、透視投影図の理論というのは、(わたしにとっては)非常に複雑怪奇。
例えば「消失点」や「対角消失点」を機械的に求めて、簡単な透視図なら描くことはできるんですが、
「どうしてこのような描き方で描くことができるのか」というのが、どこまでも腑に落ちないんですよね。
透視図の世界というのは、感覚的な理解を拒む世界、とでも言いましょうか、「なんとなく」では絶対に分からない数学の城砦…という印象を受けます。

とはいえ、
理解がむずかしくても「教わった通りの方法で描けばできる」というのが透視図のミソで、
例えば、今回のテキストにあった、
既存の(三点透視の)写真などから正投影図を描く、という手法なんて、
今後、仕事でも(例えば、超適当に撮られた意匠写真を、正投影図にするような場合に)使えるんじゃないかと踏んでいます(四角っぽい形ならば…かな)。

セミナー後の懇親会のときに、今回のセミナーの講師にお話を伺ってビックリしたのは、
元々透視図について学んだことはなく、仕事で実際に描いているうちに、自然に透視図を理解して、自然に描いていた、という点です。
なんというか、天才肌ってこういうことをいうんですね。


さて、JAVC特許図面班も、透視投影図班に負けないようがんばらなくては。
アンケートといいセミナーといい、このところひとりで特許図面みこしをかついでワッショイしているわたくしですが、
最近は、少しずつ、心強い仲間ができてきたような…(感謝)。


※おまけ※ 特許図面の作成に関するアンケート、まだやってまーす♪(8/24まで)

アンケートに回答する

普段から特許図面の作成に携わる方、ぜひ、ご協力をお願いします♪



【特許図面作成に関するアンケート】、ひきつづきご参加をお待ちしています

アンケートトップ


先日もご案内させていただきましたが、JAVCでは今、「特許図面作成に関するアンケート」を実施しております。

どんなアンケートかというと、
「特許図面描き」という希少生物の生体調査…じゃなくて(笑)、
てっとり早くいえば「特許図面作成者の意識調査」という感じです。
特許図面作成者の皆さまが、どんなソフトを使って特許図面を描いているか、や、
何を重視して特許図面を描いているのか、などなどをお尋ねします(匿名で参加することができます)。

このアンケートを行う目的は、特許図面作成者の皆さまの疑問や必要としていることは何なのかを知る、というのが第一です。これを受けてJAVCでは、特許図面セミナーなどを通して、より細やかで質のいい情報発信で応えていきたいと考えています。

集計結果は、回答締め切り(8/24)ののち、順次この場(JAVCブログ)などで公開していく予定です。
皆さまのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

↓↓ご回答はこちらから↓↓
回答する

*「特許図面の作成に関するアンケート」にご協力ください*

路上を歩いているだけで こんがりローストされそうな猛暑が ずーっとつづいておりますが、
こんなに暑くても、まだまだ暦は七月なんですよねーーー。
はぁー。この先も、八月九月がつづくのかと思うと、夏の出口が絶望的に遠いなあ…。
皆さんも、お体にはどうぞお気をつけくださいね。

さて、本題です。

JAVCのセミナーに足を運んでくださる方の中には、
特許事務所や 図面制作会社などで「特許図面を描いているよー」という方が
結構たくさんいます。
そんな「特許図面班」の方々とお話をする際には、お互いに、
「こういうとき、何のソフトを使ってますか?」とか「こういう図面ってどうしてます?」とか、いろんな疑問を 投げかけ合うことが多いです。

特許図面には 共通のマニュアルがあるわけでもないですし、そもそも 情報自体も少なくて、
さらに、描いた図面に対するフィードバックが少ない世界でもあります。

ですから、
「これでいいのかな?」、「もっといい描き方があるんじゃないかな?」
という気持ちに押されてJAVCのセミナーにいらっしゃったり、
JAVCの発信する情報を気にかけてくださる方が とても多いのかな、
とつねづね感じています。

そこで、
少しでも皆さんの疑問や要望に応え、細やかで 質のいい情報発信ができるように、
普段 特許図面作成に携わっている方々を対象に
「特許図面の作成に関するアンケート」
を実施することにしました。

日ごろから特許図面を描いている方が、どんな方法を用いてお仕事されているのか や、
どんな姿勢で(体の格好じゃないですよ、意識ですよー)お仕事と向き合っていらっしゃるのか などを アンケートを通して伺って、
どうすれば皆さんのニーズにしっかりとマッチする情報を発信できるのか、
この夏、くそ真面目に考えてみようと思っています!

なお、アンケートのご回答には、おそらく平均十五分ほどのお時間がかかると思います。
ご都合のよいときに、焦らず、ゆったりと、ご参加いただけると幸いです。

また、匿名でのご参加も全然オッケーです。
(入力欄は用意していますが、記入しなくても送信できるようになっています。)
なんなら、あだ名やキャッチフレーズ(南海の黒豹とか)で参加することもできます(笑)。
ですので、恥ずかしがったり 遠慮したりすることもありません。
JAVCに対して、または特許図面に対して、
思いのたけがあれば、ぜひ何でもぶつけていただけると幸いです。

各職場での参加人数に制限はございませんので、同僚や先輩後輩がいらっしゃる方は
ぜひ「こんなのがあるよー」と周囲にお伝えしてくださいませ。

なお、集計結果は、回答締め切り(8/24)ののち、順次この場(JAVCブログ)などで
公開していく予定です〜。

というわけで、皆さま、
アンケートへのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします!!


ご回答は、こちらからどうぞ。
↓↓迷わず行けよ、行けばわかるさ!(by あの人)
アンケートに回答する

3D工業デザイン入門講座に参加しました

5/26、東京で開催のJAVCセミナー「3D工業デザイン入門講座」に参加してきました。
今回は、Fusion360を用いたスカルプティング、ソリッドモデリング、レンダリングの基本を学習する講座です。
冒頭、まさかの「Wi-Fiつながらない」問題で、受講生も講師も大慌てというトラブルがありましたが(笑)、すぐに持ち直してその後は滞りなく講義が進みました。
教室の金属の扉を開放したら、無事解決したっていう (笑)。

わたしは特許事務所で特許/意匠図面を描いていますが、基本的にモデリングには、無料の3D CAD"Design Spark Mechanical"を使用しています。
一応、"Solid Works"という機械設計用途のミドルレンジ3D CADも所内にはあるんですが、データ変換とクライアントからいただいた3Dデータの編集、それと二次元図面の出力程度にしか使ってません(なんともったいない!)。
なんでかっていうと、結局、特許図面にはSolid Worksはオーバースペックすぎるんですよね…。
そもそも特許図面用途のモデリングって、設計用途とちがって、数値不要、形が大体イイ具合ならそれでいい、という「ザ・適当」モデリングです。
だから、ぱぱっと描いたスケッチから感覚的に、いわゆる「粘土をこねるように」して造形できるDesign Sparkの方が、作業が圧倒的に早いわけです(あくまで、わたしはですが)。
とはいっても、Design Sparkはやはりフリーソフトですので、3Dのミラー機能がない、ロフトの精度が微妙、ちょっと複雑なことをしようとすると頑としてエラーを出しつづける等々、かゆいところにいまいち手が届かない。
さらに、サーフェスに関してはまったく柔軟性がなくて、複雑な曲面で構成された図面を描きたいというような場合には向きません。

というわけで、
安価で、ソリッドにもサーフェスにも強いイメージがある"Fusion360"は、選択肢としてアリなんじゃないかと大きな期待を胸に今回参加したわけですが…
「クラウドベースだから、特許系はやばいでしょ」という誰かの一言で、膝から崩れ落ちる結果になりました。やっぱそうよね。
帰ってからちょっと調べてみましたけど、やはりデータの機密性に関してはどうも心配ですね。うーん。

ただ、今回の講座でFusion360の魅力にやられてしまって、どうにもあきらめきれない〜。
何がいいって、やっぱりあのサーフェスモデリングの使いやすさ。そして、スカルプトの自由度。
(ちなみに、スカルプトって言葉をわたしはいつも忘れてしまうんですが、Fusion360使いには「あの"みょーん"てなる奴」というだけで通じますね。みょーん以外にも、ぐにゅーんとか、うにょーんとか、オールOK。)
それと、アセンブリが簡単! その上、ジョイントが素敵すぎる! なんと言っても、ほどよく「テキトー」なところが素敵だ(笑)!!
機密性はそこまで重要じゃなくて、安価でそこそこ本格的かつ便利な機能を使い倒したいという方には、Fusion360は最高だ!ということを思い知った講座でした…。

ちなみに、今回の講座は、6/2に大阪でも行われます。ご興味の湧いた方はぜひともご参加ください。

また、東京では6/16にテクニカルイラストレーション入門講座(手描き篇)が開催されます。
手描き講座に参加すると、テクニカルイラストレーションの基礎の基礎、はじめの一歩が理解できると思います。
特に、テクニカルイラストレーション技能士試験の受験を考える方にはおすすめです。
講師が立体の模型を使ってていねいに解説しますので、テクニカルイラストの教本等のイラスト解説よりも、ぐっと理解がしやすいと思います。
テクニカルイラストの解説書では理解ができなかった、挫折してしまったという方に、JAVCが自信をもっておすすめする講座です。ぜひご参加ください。

それでは、また次回の講座でお会いしましょう!



※画像は、むかしDesign Sparkでわたしが作成した3D ウォームギア。この角度だと、いい感じに噛み合っているように見えますが…
ウォームギア


※実はウォームがウォームホイールにめり込んどる(笑)! やっぱりそこはフリーソフトだということで…。
ウォームギア_めり込み

(今さらですが)セミナーご参加ありがとうございました

開催から三週間も経ってこの記事を上げるのも何なんですが…、前回、4/7に開催された「特許図面レベルアップセミナー」についてです。
今さらかい。
いや、JAVCブログをどうこうする暇がないというある人の悲鳴(笑)をツイッターで目撃したのと、こちらはたまたま暇になったもので、まあ言うなれば援軍です、援軍。

ともかく、大変ありがたいことに、「特許図面レベルアップセミナー」は大盛況のうちに終了しました。
今回のセミナーの内容は、現実の特許図面作成実務そのもので、
イラストレーターの使い方といい、効率のいい図面の描き方といい、非常に参考になったのではないでしょうか。
講師Tさんの、超・鬼速の作図(とりあえず、たいていの受講者を「今、何が起きた?」とポカーン状態にさせるのが毎年恒例)をみて、
普段、主にツールパレットをぽちぽちして描いている方は、「ショートカットキーだのスクリプトだのを使うと、ここまで速くなるんかい!?」という発見があったかと思います。
ただ、セミナー後半のテクニカルイラストの実践となると、ポカーンを通り越してとてつもない静寂が生まれていましたね(笑)。

「 シ ー ン 」

それはもう、こわいくらいの静けさ(笑)。

寸法の記載された三面図などから作成する立体図(斜視図)のことを「テクニカルイラスト」といいますが、特許図面描きというのは、数値を入力して図面を描く機会が基本的にありませんから、この静寂の意味もよく分かります。
もしかすると、線を引くときに数値(直線の長さ寸法)を入れたことは初めて、という方もいらっしゃったんじゃないでしょうか(そもそも数値入力で線を引く機能がイラレにあったことさえ知らなかった、という方もいたりして)。

あのとき、
「いやー、特許図面はさあ、数値なんか入れて描いたりしないから、この勉強はする必要ないかな〜」
と、思ったあなた!
特に、
「アイソメ? んなもん三面図描いて、アクションで変形してから組み合わればいいじゃん〜、わざわざ描かなくても〜」
と、思ったそこのあなた!

実は、わたしもそんなふうに思って、話をテキトーに聞き流した経験がありますが(笑)、
テクニカルイラスト流の描き方を知ってしまうと、それがまったくの間違いだったことがはっきりと分かります。
なんでかって言うと、数値入力がいらない場面でも、原理や考え方を知っておくことで、作図効率は圧倒的にスピードアップするからです。そして修正対応もスムーズ。
これほんと。いや、まじでまじで。

ちなみに、当日、皆さんの様子を見ていてわたしがとても気になったところは、
数値入力で図面作成する機会があまりにもないため、イラストレーター上でどの方向が0度になるのか、みんなピンときていないんじゃないか!?という点です。

TI_イラレ角度


上図の、赤い線で描かれているのがいわゆる「アイソメ角度」。矢印の先にある角度が、イラレ上で入力すべき数値です(*の中心が線の始点になると思ってください)。
講師のTさんはスイスイと角度入力してましたね。
慣れるまではむずかしく感じるかもしれませんが、一度慣れてしまえばアクション等で角度を決定するよりも、かなり感覚的かつスピーディに描けるようになります。

そうか、そのテクニカルイラストとやらはなかなか面白そうじゃないか、もっと詳しい内容が知りたいぞ、と思われた方には良いお知らせ。
JAVCでは、6,7月に、テクニカルイラストレーションの入門セミナーが、二つもラインナップされています。
6/16に開催される「テクニカルイラストレーション入門講座(手書き篇)」は、
テクニカルイラストの超・入門編で、まずは手描きで描いてみることでテクニカルイラストの原理を学ぼうというセミナーです。
また、7/7の「Adobe Illustratorで描くテクニカルイラストレーション入門」では、Adobeイラストレーターを使ってテクニカルイラストを描く場合の描き方やコツなどを学ぶことができます(こちらの講師は、今回の講師と同じ方、イラレの鬼・Tさんですよ〜)。
それから、この二つの講座は、講座内でも説明があった「テクニカルイラストレーション技能士」に興味を持った方が、最初に学んでみるスタートアップ講座としても最適です。
興味のある方はぜひぜひ、いらしてみてください。

それでは、また次回皆さんにお会いするのを楽しみしています!

セミナーご参加ありがとうございました

jp-cc-tonegawa-10


5/13開催の「写真トレースAdobe Illustrator超入門セミナー」ですが、大変ありがたいことに、満員御礼で終了いたしました。
参加者の皆さん、部屋が狭くてミッチミチに窮屈ななか、大変お疲れさまでした。

今回のセミナーは、まさにタイトル通り「イラストレーターの超入門」的内容でしたが、後半には、講師からちょっと驚きのテクニックの披露がありましたね。
スペースキーが「人生やり直しキー」(笑)として使えるとは!
イラストレーター使用暦15年ほどのわたしですが、これは目からウロコでした。
(何のこと!?と思った方、ぜひまたの機会にセミナーにいらしてください。
JAVCのスタッフ(のうちの、いくらか若そうなの)に声をかけていただければ、いつでもご説明します!)

ちなみに、今回のセミナーでわたしが個人的にうれしかったのは、特許事務所勤務の方や特許図面関係の方が、いつもより多めだったこと!
こうしてJAVCが、少しずつでも交流を図る場になっていけば、と心から願っています。
普通に生活していて、自分の事務所以外の特許図面描きと遭遇することって、まず滅多にないことですからね〜。
ある意味、ツチノコ並みに貴重な存在ですよ。
特許図面/意匠図面を描く中で、どんな工夫をしているのか、どんなこだわりがあるのか、
もしくは、特許事務所あるあるなどなど、ほかでは聞けない話を、ツチノコ同士楽しく話し合える日が来ればいいですよね。

交流といえば、毎度おなじみのセミナー後の懇親会ですが、ぜひぜひ気軽に参加していただければと思います。
お酒が苦手な方でも大丈夫、女性ひとりだって、全然大丈夫!
(ちなみにわたしも女性で、ほぼ毎回参加します。全力でフォローいたしますので、ご安心ください
メンバーはとっても気さくで、テクニカルイラストのベテランが、それはもう豊富に控えております。
普段の仕事の話からなんでもないバカ話まで、
そしてときにはテクニカルイラストへのあふれてやまぬ情熱など、話題はなんでもアリです。
セミナー終了後の教室に、ちょっとダラダラしつつ残っていてくだされば、それが懇親会への参加表明と勝手に受け取りますので(笑)、なにとぞよろしくお願いします。
(※なお、裏技として、セミナーに参加せずに懇親会にだけ出る、というのもアリだそうです。
この場合、セミナーが終わる16時30〜45分あたりにそっと教室に近づいて、扉があいたらスッと教室にもぐりこみ、あたかもずっとそこにいたかのような顔でしれっと参加します。わたしだったら。
別に、普通の顔で参加して下さってもかまいません。)

と、いう訳で、JAVCの次回セミナーもよろしくお願いします!!


★画像は、このところ話題の、アドビ公式と「中間管理録トネガワ」(「カイジ」の焼き土下座の人ですね)のまさかのコラボ。
仕事中にネット広告をみかけて、思わずハアァ!!?という声を上げたのは、わたしだけではないはず。
ざわ…ざわ…
http://www.adobe.com/jp/creativecloud/information/cc-tonegawa.html
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